調の意味について その⑧ [音楽理論]
こんにちは、今日は変ロ長調からでしたね。 そろそろ終わりなので、ここでもうひと頑張りしょう。
変ロ長調 (B♭maj , B-dur)
この調は、「愛、元気さ、ユーモラス」などを表現するといわれています。
特にモーツァルトがこの調で愛の歌をたくさん書いています。 また、管楽器の調でもあります。 というのは、クラリネットやトランペットなどは、もともとこのB♭にチューニングされていますので、当然演奏しやすい調になるのです。 ですから、吹奏楽では頻繁に出てくる調、といえるでしょう。
それと、別名「ファゴットの調」ともいわれ、ファゴットのための曲もたくさん書かれています。
変ロ長調の名曲は、 バッハ 「ブランデンブルグ6番」 ハイドン 「協奏交響曲」(ファゴットを含む) モーツァルト 「ファゴット協奏曲」 などなど。
ドンのコラボレーションでございます。
お値段もお手ごろで、驚いてしまいましたわ。
変ロ短調 (B♭m, B-moll)
変ロ短調は、「限りない暗さ、高貴さ」を表す調とされています。
確かに、やや神経質な線の細い響きで、ショパンがこの調で「葬送」を書いたのも、一理ある、と思われます。
平行調であるD♭同様、ロマン派に好まれた調でもあります。
しかし、変ロ短調は♭が5つもついているので、譜面を見ただけでイヤになりそうで、そのせいか、名曲もあまり数がありません。
変ロ短調の名曲は、 ショパン 「葬送」 チャイコフスキー「ピアノ協奏曲1番」などでした。
カラヤンにリヒテルという、夢の競演
今や、天国に行かないと生は聞けません
調の意味について その⑦ [音楽理論]
一週間ぶりとなりました。 昼間のアップとなると、曜日が限られてしまうので・・・・。(^_^;)
イ長調 (Amaj, Adur)
前回書き忘れてしまったので、ちゃんと書いておきたいのですが、残念ですがこの調に関しても、情報が得られませんでした。
平行調であるイ短調が「慰めのない孤独」を表現する調、とするならば、その逆と考えると、明るく、楽しい、(あ~なんてつまらない表現なんだろう)調なのでしょうか?
イ長調の名曲で特に目に付くことといったら、モーツァルトがたくさんクラリネットの曲を書いているということでしょう。
確かに、クラリネットには普通使われるB♭(クラシックてきにはB(べー)にチューニングされているものの他に、A管(アー管)といわれるチューニングのものがあります。
A管でドレミファ~と吹くと、イ長調の音階が鳴る、ということですね。
B管よりも、やや軽く、明るい音がするようです。
そのせいもあるのか、イ長調は「クラリネットの調」といわれることがあり、この音域で美しく響くようです。
モーツァルトの書くイ長調の曲は、本当に美しいメロディの宝庫であるともいわれています。
イ長調の名曲は、 モーツァルト 「クラリネット協奏曲」 「クラリネット五重奏曲」 シューベルト「ピアノ五重奏曲 鱒 」 ベートーベン 「バイオリンソナタ クロイツェル」 などです。
あ~、それから、日本人なら誰もが知っている、あの夏休みの定番の名曲がありました!
「ラジオ体操第2」 なんと 團 伊玖磨 作曲でした。
でも、「第一」に比べて第二は、あの出だしの体操がなんともかっこ悪くて、とてもイヤだった・・・・ なんで、こんなかっこ悪いことしなきゃなんないんだ、あれは、年頃の娘には、ほとんど虐待ですよ。
娘だけじゃありません。 うちの息子が小2のとき、学校から帰ってきて「今日、運動会の練習で、とても恥ずかしいことをした。」と言うんですね。
「何をしたの?」と聞いてみると、ラジオ体操第二 をやらされた、と言ったんです。
その後、「あんな恥ずかしいことするんなら、もう学校に行かない!」とむずがる子をなだめながら、「まだやってんのか~」という懐かしい思いと、かっこ悪いのに、という思いがこみあげて、困るやら、おかしいやら
でも、曲はよくできているんでしょうね。 (^_^;)
← なんと、ありました、ありました。 さすがアマゾ ンですね~
号令つきと、なしのバージョンがあります。
レビューもいっぱいあって、絶賛の嵐です
(曲ではなく、体操の効果についての・・・)
これで、肩こり解消だ
調の意味について その⑥ [音楽理論]
夜に記事をアップすると、ほぼ100%エラーになって消えてしまうことがわかりましたので、これからお昼に更新することにします。
そうなると、できる日が限られてくるのですが、仕方ない・・・
ぶつくさ言ってないで、始めましょう。 今日は変イからですね。
変イ長調 ( A♭maj, As dur)
この調についても、情報がありませんでした。
で、所謂名曲といわれるものを集めてみると、
ショパン 「ポロネーズ 幻想、英雄」 「エオリアンハープ」 などなど。 ベートーベン 「ピアノソナタ12番、31番」、悲愴の2楽章」 リスト 「愛の夢 3番」 シューマン 「ホルンとピアノのためのアダージョとアレグロ」
これを見てもわかるように、ピアノ曲が非常に多いことがわかります。
特にショパンは上記以外にも、この調で書いているピアノ曲がたくさんあり、よほどお気に入りの調だったのではないか、と思われます。
ひとつには、変イ長調はピアノでは黒鍵を弾くことが多いので、D♭やG♭のところでも書いたように、てこの原理が働き、やわらかい音が得られる、ということがあげられるでしょう。
また、人によっては「霞がかかったようなぬくもりのある音がする調」とも言います。
いずれにしても、ピアノの音が美しく聞こえる調のようです。
現在の調律では、そうでもないのかもしれませんが、古典的な調律法を用いると、もしかしたらどの調も、もっとはっきりと違いがわかるのかもしれませんね。
← 今、ショパン弾きといったら、ユンディ・リーとか
になるんでしょうか? これは巨匠 ルービン
シュタインの堂々たる演奏です。
ショパン「ポロネーズ全曲」 ジャケットの写真、若くみえるけど・・
変イ短調、嬰ト短調 ( A♭m, G♯m)
表記を変イにしようか、嬰トにしようか、迷ったのですが、両方書きました。変イにすると、♭が7個になってしまい、あんまり現実にはお目にかからない感じですので。(^_^;)
この調も、お察しの通り、情報がないばかりか、名曲も少ない調です。
変イ短調だと、ベートーベン「ピアノソナタ 葬送の3楽章」 ベルディ 「イル・トロバトーレ」の「ミゼレーレ」
嬰ト短調だと、リスト 「ラ・カンパネラ」 くらいでした。
特に、変イは滅多に書かれない調だと言えます。(ーー;)
同じことですが、嬰トになると、「短調の中では、最もきらびやかに聞こえる」という意見もあります。 が、曲が少ないので、比較しにくいですね・・・
← 「ラ・カンパネラ」といえば、もうこれしかないでしょ
う。(^^♪ フジコさん、ものすごいミスタッチをして
も「いいのよ、人間だから間違いもあるのよ」と
居直れるところは、流石です。
イ短調 ( Am, Amoll)
わ~い、やっと情報のあるイ短調にやってきました。(*^。^*)
イ短調は 「慰めのない孤独」 を表します。
おそらく、ほとんどの方が人生で初めて演奏する短調が、これではないでしょうか? あ、ピアノだけかな?・・ ギターとかだったら、Emの方が易しいのかしら? (・・?
で、名曲ですが、あります、あります。
ベートーベン 「エリーゼのために」 ショパン「木枯らし」 グリーク 「ピアノ協奏曲」 マーラー「大地のうた」 「悲劇的」 などなどなど・・。
いっぱいあるので、後は自力で探してください。
でもか、というくらい入っていて、この値段は
安いのではないでしょうか?もち、「エリーゼ
のために」も入ってますよ~(^^♪
「ベストピアノ100」
ここで、えらいことに気づきました。! イ長調書くの、忘れてました・・・
仕方がないので、この次ね。 お楽しみに。
調の意味について その⑤ [音楽理論]
今日もサクサクなので、頑張って早く12調を仕上げたいです。 この後、ジャイアント・ステップと、ケプラーが考えた惑星が奏でる音について、書きたいので。 (勝手に予定を立てていますが、自分のブログなので悪しからず。)
今日はF♯mからですか。
嬰へ短調 ( F♯m, Fis dur,)
この調に関しても、帰納的手法を使うしかないようです。
この調で書かれている名曲は、 ハイドン「告別」 ブラームス「ハンガリー舞曲5番」(ただしピアノ連弾版のみで、管弦楽ではト短調) ラフマニノフ「ピアノ協奏曲1番」
といったところで、ほとんど曲がありませんでしたが、ちょっと激情的な曲が多いかな?っといったところでしょうか。
ハイドンの「告別」ですが、彼はエステルハージ侯爵家のおかかえ楽長で、毎朝、殿様に拝謁、舞踏会の内容、来られるお客様の好み、殿のご機嫌の良し悪しなどを考慮して、ふさわしい曲を作曲、そしてオーケストラにレッスン、本番といった忙しい日々を送っておりました。
仕えていた侯爵は「豪奢侯」といわれるほどの贅沢好き。 ベルサイユ宮殿を模して、エステルハーザという夏の宮殿を建て(今のハンガリーにあった)そこへ拠点を移し、毎日のように宴会(?)やオペラを催します。
楽団員たちも、それまでいたアイゼンシュタットを離れ、エステルハーザに移りますが、ホームシックでアイゼンシュタットに帰りたい楽団員が出てきました。
そこで中間管理職のハイドンは、一計を案じます。
殿様に直訴するわけにはいかなかったので、オーケストラが自分のパートを演奏し終わると、立ててあるロウソクを吹き消して退場する、そして一人、また一人といなくなり、曲が終わる頃には真っ暗で誰もいない・・・。 という演出をして、豪奢候に楽団員の気持ちを伝えた、というあまりにも有名なエピソードがあります。
それで、侯爵はわかったんだろうか?という疑問は残りますが。
値段を見てびっくり!
な~んと 1050円 の廉価版
キムタク夫人の歌もF♯mが多いそうです。
ト長調 ( Gmaj, G dur)
わ~い、ト長調までやってきました。 あと少しですね。
ト長調は 「単純に楽しいこと、和やかな田舎の人、誠実、軽快、ユーモラス、男性的」 を表すそうです。
ト長調の名曲は バッハ「ブランデンブルグ3・4番」 ハイドン「驚愕」 「軍隊」などなど。
先ほどF♯mで触れましたが、実はト長調は「ハイドンの調」ともいわれています。 また、フルートの調とも。
段は 1050円。 お値打ちかも~。 近頃はいい演
奏が安く聴けて、ありがたいです。
バッハ 「ブランデンブルグ協奏曲」
ト短調は 「絶望に打ちひしがれた悲しみ」を表し、モーツァルトでは「死を予感させる」調である、と言われています。
名曲ですが、モーツァルト 「交響曲25・40」 チャイコフスキー「冬の日の幻想」 タルティーニ「悪魔のトリル」などがあります。
この「悪魔のトリル」ですが、悪魔だからニ短調じゃないか?と思ってたら、ト短調でした。
タルティーニの夢の中で悪魔が弾いていた曲を写し取った、といわれる超難曲ですが。 悪魔がなんで、絶望に打ちひしがれているかというと、
キリスト教的地獄と、仏教的地獄の違いを知らないと、これはわからないですね。 私たち日本人が理解しているのは仏教的な地獄で、改心すればご赦免があって、出てこられる地獄なんです。(あ~、ありがたい!)
けれども西洋的な地獄というのは、いったん堕ちると未来永劫、絶対に出てこられない、恐ろしいところなんだそうです。
そりゃ、絶望的になるだろ、悪魔だって。 どんなに反省したって、許してもらえないんだから・・・・。
それに悪魔っていうくらいだから、積極的に悪いことしてるだろうから、ちょっとくらい反省しても、まー、ムリだろ、絶望的ですね、出てくるの。
打ちひしがれても無理はない。 というわけで、悪魔のニ短調じゃなくて、絶望のト短調になったんじゃないですかね?(^_^;)
このバイオリン・ソナタ「悪魔のトリル」はあまりにも難しいので、タルティーニには指が6本あったから、やすやすと弾けたのだ、という伝説まで生まれました。
どんな曲かな~?って思っている、そこのお兄さん、お姉さん。
ふっふっふ。い~いところがありますぜ。( ..)φメモメモ
ここで、聞けます。 昔の録音なので著作権はとっくに切れているみたいです。
http://www.yung.jp/yungdb/op.php?id=30 ← ゲルハルト・タシュナー演奏
いや~、こんなのがタダで聞けるなんて、い~い時代になりました
ありがたい、ありがたい。
調の意味について その④ [音楽理論]
こんにちは。 今日はお昼に時間ができたので、ブログの更新をしているのですが、ま~なんてサクサクなんでしょう うれしくて、涙が出そう です。
では、今日も張り切ってまいりましょう。 その③がホ短調だけで、異常に短かったので、この調子でいくと、今年中に「ジャイアント・ステップ」にたどり着けないかも・・・。 いやいや、頑張ろう、一日一調だ!(だから、それだとだめなんだって・・・・)
ヘ長調 (Fmaj, Fdur)
へ長調は、「純粋で優しい心を持つ人」を表します。 それは、しばしば「農民的なもの、明るい素朴さ」をイメージさせるらしく、名曲もそういったものが多いようです。
ヘ長調の名曲は、 ビバルディ「秋」 バッハ「ブランデンブルグ1.2番」 モーツァルト「オーボエ四重奏曲」 ベートーベン「田園」 シューマン「楽しき農夫」 など。
「楽しき農夫」なんて、まんまですよね。
それから、ヘ長調はオーボエの調ともいわれています。 モーツアルトの「オーボエ四重奏曲」はもちろんですが、ブランデンブルグ1・2番にもオーボエが登場します。 こういうことを知ると、あのオーボエのなんともいえない音は、純粋で優しい農夫を表現するのに最適、と思えてくるから、面白いですね。
ベートーベン「田園」です。のどかな感じ。
ヘ短調 ( Fm, Fmoll)
この調は「内面の苦しみ、悲しみ」を表現する、といわれていますが、確証が取れませんでした。
また、「最も暗く演奏しにくい調」なので、所謂名曲が少ない、ともいわれています。 「演奏しにくい」というのは、弦楽器に関してなのでしょうか?
バイオリン弾ける人、おせ~て~!むつかし~の?
あ、すみません、取り乱しました。 (これはニ短調でしたよね。)
で、ヘ短調の名曲は、 ビバルディ 「冬」 ショパン「ピアノ協奏曲2番」くらいでした。 う~ん、やっぱり暗いかな。
で、ちょっと目先を変えてジャズではどうだろう、(管楽器はフラットがついている曲の方が演奏しやすいので) と思って、さっき1001(センイチ)と360(サブロク)を繰ってみました。
ありましたよ~、名曲 「ジャンゴ」 に 「Moanin'」 に 「You don't know what love is」。
でも、やっぱり暗い・・・・。 そういう調なのでしょうかね。
(注) 1001とか、360というのは、著作権無視の楽譜のブートレッグみたいなものです。 それぞれ1001曲、360曲入っているのでそう呼ばれています。著作権無視なので、良い子は使わないでね、ジャスラックに怒られます。
← ビバルディの「四季」といえば、イ・ムジチ楽団と昔か ら決まってます。(笑)
私は、フェリックス・アーヨのを持っていますが、これはえ~、画像がこれしかなかったので・・・・
嬰へ長調 (変ト長調) ( F♯maj, G♭maj, Fis dur)
この調については、情報がありませんでした。 異名同音調の変ト長調でも調べたのですが、こちらも手がかりがありませんでした。
どなたかご存知の方、教えてください。宜しくお願いします。m(_ _)m
嬰へにしても、変トにしても、各々♯、♭が6個もつくので、曲によっては、むちゃくちゃ弾きにくい、ということになります。
で、名曲ですが、F♯では ベートーベン「テレーゼ」 ショパン「舟歌」、
G♭では ショパンのエチュードの「黒鍵」 「蝶々」、ドビュッシー「レントより遅く」 などがあります。
あ、それから、かの有名な「猫ふんじゃった」(作者不詳)がこの調です。
D♭のところでも書きましたが、この調もほとんど黒鍵を弾くので、ピアノでは柔らかい音が得られます。 そういえば、さっきの名曲も、ピアノ曲が多かったですね。
余談になりますが、今から約20年くらい前、当時アイドル歌手として絶頂だった Y口M恵 嬢の曲がほとんどこのF♯だったそうで、バックバンドを勤めたことのあるジャズミュージシャンのK氏が、「半音上げるか、下げるかしろよ、」とぼやいておられましたっけ。(半音上げるとG,下げるとFになって、演奏しやすくなるのです。)
たいていのジャズミュージシャンは、この調を見ると心の中で「ちっ、半音上げるか、下げるかしろよ」と思います。 全調で死ぬほどスケールやら、移調やらの練習はしているのですが、それでも苦手なのです。
あー、「Any key, OK」 のドラマーが裏山し~。
調の意味について その③ [音楽理論]
今晩は。時間がなく、なかなかつづきをアップできなくて、自分でも気になっていたんです~・・
だって、このごろ物忘れが激しくなって、うっかりすると何書いてたか忘れちゃいそう・・・・(^_^;)
実はリトミックのレッスンで、「青春アミーゴ」を踊るので、一生懸命練習してました。 笑わないでね~、もう手足がゆ~ことをきかなくて、大変・・・
では、今日はホ短調から。
ホ短調 (Em, Emoll)
残念ですが、この調に関してもはっきりとした情報を見つけることができませんでした。
こうなったら、ホ短調で書かれた曲をたくさん集めてきて、帰納的に推測をしていくしかないので、探してみました。
バッハ「マタイ受難曲」 メンデルスゾーン「バイオリン協奏曲」 チャイコフスキー「5番」 ドボルザーク「新世界」
人類史上最高の楽曲といわれている「マタイ受難曲」がこの調であること、同主調のホ長調が「神聖なる愛」や「天上の響き」を表すこと。
また、平行調であるト長調が、後で詳しく書きますが「楽しみ」を表すことなどから、ホ短調は「神聖なる悲しみ」 「透明感ある悲しみ」を表現する調ではないか、と推測されます。
殉教者の悲しみ、最愛の師イエスを3度も否みたペテロの声なき慟哭、聖なる死、そういったものを表しているように思えてなりません。
そうそう、レミ・ド・グールモンの古い長い詩で「むかしの花」というのがあり、その最後にこういうフレーズがあります。
「犬芥子、苦痛にほほえむ尼僧、隠れたる殉教者の光。
ヨブの涙といふすずだま、蒼ざめた瞼の下の涙、暗い頬の上の悲しい真珠。
紫苑、キリストの御最期のおん眼を象るせつない花。
犬芥子、ヨブの涙、紫苑、どんなに血の滴れる心よりも、おまへたちの方が私は好きだ。 滅んだ花よ、むかしの花よ。」
ホ短調はこういった感じを、表象しているのかもしれません。
また、ロマン派以後、ロマン派の調ともいわれています。 あのセンチメンタルな感じはこの調ならでは、なのでしょうか?
← たぶん私が持ってるのと同じだと思いますが。
リヒター指揮。 「マタイ受難曲」全曲
最近では「のだめカンタービレ」で、千秋が聞いて有 名になりました。
一生に一度でいいから、第1曲「来たれ娘たちよ、われとともに嘆け」と、第46曲「憐れみたまえ、我が神よ」だけでも、聞いて 人類の至宝です
スンマソン、今日はこれで勘弁ね。
調の意味について その② [音楽理論]
今晩は。では今日も引き続き「調」の持つ意味について、書いていきたいと思います。
変ホ長調 ( E♭maj, Es dur)
この調は、「神聖な愛」を表す、といわれています。
ホルンなどの管楽器がよく響く調なので、管楽器用の曲に多い調です。
ベートーベンがこの変ホ長調で「英雄」を作曲して以降、「英雄の調」ともいわれ、リヒャルト・シュトラウスもこの調で「英雄の生涯」を作曲しています。
「神聖なる愛」や使命感がなければ、きっと英雄にはなれないのでしょう。
この調で書かれた名曲は、上記のほかに、
ベートーベン「皇帝」 ブルックナー「ロマンティック」 などがあります。
← 実はこれ以外に画像がなかったので・・・・。
ベートーベンの3番「英雄」です。
変ホ短調 (E♭m, Es moll)
この調に関しても、情報がありません。
そして、この調で書かれた名曲もほとんどありません。
D♯m(嬰ニ短調)と言い方を変えてみても、同じ結果でした。
バッハ「平均律クラビア曲集第1集、8番の前奏曲」(フーガはD♯m)
シューマン「マンフレード」序曲
← ここは、渋~くケンプで決めてみましょうか。
グレン・ グールドとか、キース・エマーソンとかあっ
たのですが、8番は弾いてなかったのだ・・・・・・
「平均律クラヴィア曲集」で~す。
ホ長調 (Emaj,E dur)
やっとホ長調までたどりつきました。
あ~、先は長いぞ、この調子だといつまでかかることやら・・・・
でも、頑張っていきましょう
このホ長調は 「天上の神聖なる響き」を表現しているそうです。
だから、「魔笛」で、高僧ザラストロがこのキイで歌ってたのか!
わかったぞ~
ということで、長年の疑問が解けていくのはうれしいことですね。(^^♪
で、名曲は みなさんご存知の ヴィバルディ「四季」の春 、バッハ「ヴァイオリン協奏曲」 など、言われてみれば天国的な美しい曲たちです。
- アーティスト: リアス室内合唱団, ピータース(ロバータ), リアー(イブリン), クラス(フランツ), ブンダーリヒ(フリッツ), レンツ(フリードリヒ), ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団, モーツァルト, ベーム(カール), アルント(ギュンター)
- 出版社/メーカー: ユニバーサルクラシック
- 発売日: 1998/05/13
- メディア: CD
調の意味について その① [音楽理論]
わ~い、久しぶりに自分のブログに入れました!
(って、喜んでいいのか~?)(^_^;)
今日は、やや真面目に西洋音楽でいうところの、調性、(ほら、あのハ長調とか、ト短調とかいうヤツですよ)の持つ意味について、考えてみたいと思います。
だいたい、え?、「ジャイアント・ステップ」のコード進行の考察はどうなってるの?、というお尋ねですか?
・・・・ただ今、下請け(息子)にサイクル・オブ・5THの図を描かせていますので、もう少々お待ちくださいませ。 素晴らしいイラスト入りで、幾何学的な説明をさせていただく予定でござる。 m(_ _)m
では、気を取り直して・・・♪
子供の頃、○長調とか×短調に関しては、一般的に明るい感じとか、暗い、悲しい感じという風にしか、習いませんでした。
しかし、それだけじゃないでしょ、それぞれの調があるなら、なんか意味があるでしょ、と思い続けて幾星霜。(大げさか?)
いろいろと調べてみたのですが、結構、これが大変なことでした。
だいたい、楽器の持つ特性によって、演奏しやすい調、しにくい調がある位のことはわかるし、その楽器が一番美しく聞こえる音域の調を選んで、調整を決定して作曲する、それくらいのことは見当がつくのですが。
私が知りたかったのは、そういう技術的というか、構造的なことではなくて、その調固有の理念というか、意義というか、意味というか、そういうものが、西洋にはあるに違いないやろ、ということなのです。
なんで、ヘンデルは「ハレルヤ」をD(ニ長調)で書いたのか、べつにハ長調でも良かったはずなのに、なぜニ長調でなければいけないのか?
なぜ、「魔笛」のザラストロは、自分ひとりだけホ長調で歌い出すのか?
ほかの人はその時、違う調で歌っているのに、なぜ?ど~して?
モーツァルトがご尊父のレオポルドさまに、「なぜ、お前はあの曲をこんな調で書いたのか。」とひどく叱られたらしいけど、なぜ?
とまあ、こういう疑問がず~っとあったのです。 この手の疑問は、基本的なことの割にはどの本にも書いてなくて、教えてくれる先生もいなくて、困ってしまうのですが、やっぱ知りたい!
たとえば減5度の音程(トライトーン)は不安定だ、と、どの楽典にも書いてあるけど、なんで不安定なのか、理由を書いてあるテキストはほとんどありません。
テキストの著者さえ、知らないのではないか、と思えるほどです。(ひど~い)
(これはうちの生徒さんには、ちゃんと理由を教えていますので、この次、またアップしましょう。 忘れちゃった~、と言うキミ、私にしてください。)
いったい作曲家は何を根拠に調を決定し、曲を書くのでしょうか?
もしかしたら、西洋の人なら誰でも知ってる暗黙の了解というか、自明の理みたいなものがあって、「え~、そんなことも知らないで、レッスンやってたの?ジャップは!」なんて、いわれるのかもしれないけど、
一生懸命、調べてきました参考にしてください。
ハ長調 (Cmaj,Cdur)
この調は「光、永遠、単純、子供の世界、終わりのないもの」などを表します。
ピアノでは白鍵ばかりなので、一番易しい調だと思われていますが、もしかするとそうでもないかも。
ハ長調の名曲は、ハイドン「ロクスラーヌ」 モーツァルト「ジュピター」 ベートーベン「運命」のフィナーレ部分、 シューベルト「グレート」 などです。
単純明快で、あまり深刻な表現やテーマには不向きとされている調だそうです。
ハ短調 (Cm,Cmoll)
ハ短調は「悲劇的で不幸な愛、悲痛、深刻」を表します。
この調で書かれた名曲をあげると、モーツァルト「ハ短調ミサ」 ベートーベン「悲愴」「運命」 マーラー「復活」 など、まあ出るわ、出るわ、深刻で悲痛で、重厚な曲ばかり。 (ーー;)
やっぱり作曲家のみなさまは、ご存知のことだったのですね。 わたしだけ~?
知らなかったの?
変ニ長調(嬰ハ長調) (D♭maj, C♯maj)
この調に関しては情報がありません。
ご存知の方、教えてください。
これは、ロマン派以降になりますが、D♭はロマン派の調といわれるようになります。 それほど、ロマン派のピアノ曲はこの調で書かれているのです。
ショパン「雨だれ」「子犬のワルツ」 ドビュッシー「月の光」 リスト「ためいき」
などなど。
ピアノに関して言うと、この調はほとんど黒鍵を弾くので、てこの原理でやわらかい音が得られます。その音色がロマン派の作曲家に好まれたのでしょうか?
個人的には、私にとって一番音が立体的に聞こえる調です。
和音なども、くっきりと立ち上がったように聞こえます。 ためしに、「月の光」をハ長調に移調して引き比べてみると、魅力半減というか、平板で、まったく興ざめしてしまう感じがしますよ。
嬰ハ調 (C♯m、D♭m)
この調に関しても、情報がありません。
ベートーベン「月光」 ショパン「幻想即興曲」などピアノ曲があります。
この事実から推測すると、幻想的な感じを意味するのでしょうかね?
ニ長調 (Dmaj,Ddur)
あ~、やっとこさDまできました。 もう眠いので、これを書いたら、休みます
ニ長調は「祝祭的なもの、お祭り騒ぎ」という意味を持っています。
Dという文字は西洋の人にとって、何か神がかり的なものを連想させるのだそうで(理由は?)、崇高な精神を表現する時に使う調なのだそうです。
だから、神の栄光を称えて歌う「ハレルヤ」はこの調でなければダメだったのですね。 納得、納得。
これはヘンデル以降かもしれませんが、ニ長調は「ハレルヤ」の調、ともされています。
ニ長調の名曲は、バッハ「ブランデンブルグ5番」 モーツァルト「ハフナー」 マーラー「1番」など。
輝かしく、高貴な曲が多いですね。
ニ短調 (Dm, Dmoll)
この調はニ長調とは対極的で、「悪魔の調」とされています。
なんでか? わかりませ~ん。 オペラ、宗教曲では、人間が激昂する場面がこの調で書かれます。 悪魔に取りつかれて、取り乱す、といったところでしょうか。
また「恐怖、修羅場」を表現するともいわれますが、これは前述の悪魔と関連して、当然のことと考えられますね。
この調の名曲は シューベルト「死と乙女」 ベートーベン「テンペスト」、それから「レクイエム」、モーツァルトもフォーレもスッペもDmで書いています。
ああ、それとモーツァルトの「魔笛」の夜の女王のアリアの、前半部分。
確か、ニ短調でしたよ。
復讐の炎がめらめらと燃えるような、コロラチュラ、これ以上の怒りはない、という感じがよく出ている名曲ですね、
では、今日はここまで、ってもう夜中の2時ぢゃ・・・・
つづきはまた明日ね。 おやすみなさい。
アップしようと思ったら、 [雑談]
ここ数日、自分のブログに入れない、という悲惨な状態でした・・・
画像つきで、面白マウスを紹介しようとしてたんですが、アップしようとして「保存」をクリックした途端、画像もろともどこかにすっ飛んでいって、 ありゃりゃ、どこへいったんでしょう?
あんなに大変な思いをして画像を加工して、貼り付け、リンクも生成したのに~。(号泣)
ウェブ上のどこかで私の迷子記事を見つけられたら、早く帰ってくるように、言い聞かせてください。
てなわけで、面白マウスやら、999円のmp3プレーヤーのお話は次にさせてもらいます。すみません・・・m(_ _)m (999円ですよ!)
なんか、アクセスが異常に集中してたのか何かで、障害がおきてたみたいですね。
so-netって、とても記事の編集がしやすいので、人気があるのかしら?
携帯のメール感覚で書けちゃうので、楽ですよ。
実は別なところに、ものすごくマニアックなサイトを作っているのですが、これがHTMLとかが大変で、お手上げ状態のまま、放置プレイしております・・・(^_^;)
で、どなたか、画像とか簡単にアップできる無料ブログあったら、教えていただきたいんですけど。(厚かましくも、タダにこだわるか)
よろしくお願いいたします
不可聴音域の不思議 [音楽理論]
皆様、お待たせいたしました。 更新しようとすると、電話が鳴ったり、さあやろうと思うと、サイトが重くて自分のブログに入れなかったり、でした。
あ、そうそう、前回の「バラード」について、わざわざメールをくださって「いいですね~なんで、もっと早く教えてくれなかったの」という、うれしいお叱りまでちょうだいしました。
AKIさん、これからもごひいきに。あ、皆様も、です。
さ~、今日もがんばるぞ!ってもう、真夜中ですが・・・
え~、今日は不可聴音域について、お話したいと思います。(って、勝手に私が決めただけですが、ハイ)
不可聴音域とは、人間の耳には聞こえない音域のことをいいます。
人間の耳が聞き取れる音は、周波数で言うと16~18000Hzの範囲とされ、それ以下、(低周波)それ以上(高周波)は鳴っていても、聞き取れないとされています。
しかも、可聴範囲の16~18000Hzも、だいたい24歳くらいまでがピークで、後は衰える一方だそうです。 (とっくに越えてるわ。悲し~)
しかし、犬は20000Hzくらいまでの音を聴くことができ、人は犬笛が鳴っていても聞こえませんが、わんちゃん達にはしっかり聞こえているのだそうです。 犬笛は犬が聞き取れる高周波を出すように、作られているのですね。
レコード(LP等)の時代が終わり、CDが登場した時、聞こえないなら、いらないじゃないかということで、不可聴音域はカットされて録音されるようになりました。というわけで、普通のCDでは、50Hz以下と、20000Hz以上がカットされています。
しかし、なぜか耳の肥えたオーディオファンの皆様からは、「CDは音がうすっぺらい。」とか、「音がとげとげしている。」などの苦情が寄せられたのです。 手入れが大変なレコードに比べ、保存もきくし、手入れもほとんどいらないCD,コンパクトで場所も取らないし、いいことずくめ、と思われたのに。
ところが最近、音に関する研究が進むにつれ、そのオーディオファンの皆様の耳が、いや、人間の耳がいかに素晴らしいものであったかが、正確なものであったかが、除々にわかってきたのです。
なんと邪魔者扱いされてきた2万Hz以上の音を聞くと、人間の脳からアルファ波がじゅ~っと出て、気持ち良くなるのだそうです。(たぶん、じゅ~と音はしない・・)
アナログのレコードやカセットテープには、そういった不可聴音域の音までもが録音されているため、聞いた時の満足感が違うようなのです。
2万Hz以上の音がよく出ている音楽として、ガムラン(インドネシアはバリ島の民族音楽)がありますが、このガムランを被験者に聞かせ、脳からアルファ波が出ているのを確認した後、今度は2万Hz以上の音域をカットしたガムランを聞かせると、全くアルファ波が出なかった、という実験のVTRを見たことがあります。
ガムランと同じく、不可聴音域の音をたくさん出している音楽に、わが国の謡曲、つまり能楽の音楽があります。
あの、鼓とか、おおかわとか能管などが使われている、よ~おっ、ポン!というあれですね。
これがなんと、100kHzもの音が出ていることがわかったのです! (実際は聞こえませんが・・・)
つまり、2万Hzの5倍ですね。
そうすると、これは聞こえていない音域の方がむしろ主力であるという点で、とても神秘的な音楽であるといえるでしょう。
実際に能楽堂へ行って、能を見ていると、何ともいえないリラックス感があり、自分の感受性が鋭くなっていくような気がします。(管理人は「O槻能楽堂友の会」の会員。 最近行けてないので、行きたいよ~)
能楽の「幽玄の世界」は、この不思議な音楽によって醸し出されているのかもしれません。
特に、能に使われる「能管」という横笛ですが、この能管が出す「ひしぎ」と呼ばれる音、これも2万Hz以上の音が確認されており、不思議なことに、「ひしぎ」が使われるのは、幽霊や、神といったこの世ならざるものが登場する場面なのです。
観客はこの「ひしぎ」を聞いて、知らず知らずのうちに脳からアルファ波を出し、(というか、出さされ)気持ち良くなったり、神秘感にうたれたりしている訳ですね。
実は「ひしぎ」は石笛(いわぶえ)という、出雲地方の神社などで儀式に使われる楽器の音をまねた音なのだそうです。
石笛は石に穴を一つ開けただけの簡単な構造ですが、6万Hzの音が確認されています。 そして、神おろしの儀式のときに、神主さんによって吹かれるのですが、お参りしている人々はなんともいえない陶然とした気分になるそうです。
ガムランも石笛も、能管も、そういった意味では、宗教的なもの、神秘的な神の世界を感じさせる力を持っており、昔の人が不可聴音域などという言葉など知らなかったにもかかわらず、その事実を察知していた、ということは、驚嘆に値します。(゜o゜)
人間の感性って、凄い!
ある音を聞くと、神を感じたり、神秘的な気分になったりすることを、ちゃんと知っているんですね。 これはもう、本能といってもいいのかも・・・・
それで最近では、SACDなどといって、不可聴音域まで入っているCDや、それを聞くためのオーディオが発売されていますが、まだまだ、お高い・・・。
そこで見直されてるのが、昔懐かしいLPとレコードプレイヤーです。
大手レコード会社の中には、絶版になってCDにもなっていないレコードを、復刻させるところも出てきました。
LPの盤面に指を触れないように気を使い、静電気よけのスプレーをかけ、そーっと表面のゴミやほこりを拭い、ターンテーブルにのせる。
そして、針を飛ばさないように、これまたそーっと落として、忍び足でその場を離れ、正座して静かに耳をかたむける。(動くと針が飛ぶから)
やがて、ぷちぷちというスクラッチノイズがおさまり、大好きな曲が始まる・・・
これって、まるで宗教的儀式じゃありません?
でも、音楽を聴くのに、これくらいの労力を使ってもいいんじゃないでしょうか?
それくらいの「ありがたみ」があってはじめて、日常のなかの非日常が味わえるのではないでしょうか?
てなことを、三日もかかって書きました。(わはは、やっと更新できた)
で、興味のあるかたは、↓で「ひしぎ」を聴いて、不思議な気分になってね。
「横笛研究会」 能管の「ひしぎ」が聞けます。(ただし2秒)
(お手数ですが、検索をお願いします。「能管」の最後の部分にひしぎの音が入っています。)