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ショパンの運指について [音楽雑談]

お久で~す、ちょっと三叉神経が麻痺して治療してました。。(あ~、なんて体弱いんだろ。

おかげさまでもう治りましたが、朝起きたら唇半分が歯科の麻酔をかけた時みたいにしびれてて、感覚がないとわかった時は、さすがにあせりましたわ。(^_^;)

 ところで先日、ショパンの楽譜を見ていて「あれ?」と気づいたことがありました。

ノクターンだったと思いますが、私が昔習ったのと指番号が違う気がしたのです。
もっとも、その本はショパンの演奏について1曲ずつ注釈がつけてある本で、わざわざ「ショパンの指使い」と書いてあるので、こちらの方がたぶん原典に忠実であるのですが。

でも、フチが茶色く変色してしまった私の昔の本を引っ張り出してきて、見てみると,やはり違う指番号がふってありました。

ショパンくらいになると、それまで「1とか5の指で黒鍵を弾いてはいけない。」などと言われていたのはどこへやら。
1,5は当たり前だし、クロマティックを5・4・5・4なんてのもあるし、5・5・5・5なんてのも出てくるので、初めて見たときは面食らいました。

1の指で出だしの音、黒鍵を弾くのも、少し怖い気がしました。
もしかして乱暴にひっぱたいたようになったらどうしよう、などと思ったからです。

私が昔使っていたのは全○の楽譜でしたが、校訂者が弾きやすいような運指を考えて、番号をふってくださっているらしいのですが、できるだけ原典版を使用した方が良いみたいです。

というのは、指が違うと微妙なニュアンスが変わり、違う音になってしまう=違う曲になってしまう、という考え方もあるからです。
以前、NHKの「スーパーピアノレッスン」でルイサダが出ていた時、口うるさくそれを注意していました。

特に、作曲者自身が運指を指定している場合もありますので、原典版にあたっておいて損なことはないと思います。(全○の楽譜はちょっと独自な解釈が多いようですね。)

ショパンも運指を楽譜に書き込んでいて、それがあの4が5を乗り越えていったり、5だけでクロマティックを、しかもスタッカートしながら弾く、などという半ば超絶技巧なものなのです。

きっとそういう音が欲しくて書いたのだろうと思いますが、やりにくいな~、と思うこともしばしばあります。

 でも、ここでひとつ考えておきたいことは、楽器の問題です。

私達が今使っているピアノは、ハンマーアクションの比較的重く、重厚なタッチのイギリス式であり、ショパンが愛用していたプレイエル社のピアノはハンマーアクションの軽いウイーン式であったということです。

19世紀にはこのイギリス式とウイーン式がしのぎを削っており、ショパン、メンデルスゾーン、ツェルニー、シューマンらはウイーン式の軽やかさを生かした曲を作曲していました。
逆に、リストはイギリス式の愛用者でしたが、ショパンとリスト双方が重力奏法の祖とされているのは、面白いですね。

それでわかった。どうりで、弾けないはずだよ、ツェルニーとか、ショパンとか・・・・。
楽器がタッチが違うんだから。(いいわけですが) 

という風に2つの方式があったのですが、次第にイギリス式に統合されていき、1909年にウイーン式ピアノは終焉を迎えます。

なので、別に指番号変えてもいいじゃん、という考え方も成り立つ、とは思うのですが

要は、その曲の美しさを最大限に引き出せれば、それでいいのかな~っと。(^_^;)

 

弟子から見たショパン―そのピアノ教育法と演奏美学 ←こんなのもあります。

  「弟子から見たショパン」 ちょっと値段は高いけど、ショパン弾きは一読の価値ア  
  リ・・・・

 

 

.

 


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楽譜の間違いについて [音楽雑談]

最近は無料の楽譜ダウンロード・サイトがあちこちにあって、時々利用することもあるのですが、総じて海外のサイトは、いいかげんなものが多いです。

先日、ショパンのノクターン(遺作)が必要になったのですが、なぜか見当たらないので、ある海外の無料楽譜サイトで、ダウンロードしてきました。

が、これがいいかげんな楽譜で、タイはついてないは、音はところどころぬけてるは、誤植はあるは、で結局使い物になりませんでした。

曲を知っているから、おかしい、とわかったものの、もし知らないで鵜呑みにしていたら怖いな~と思います。

かといって、出版社から出ている楽譜が100%正しいかといえば、そうとも言えないのが現状です。

以前、ブラームスの「2つのラプソディ」が課題になったので、予算の都合でピースを買ったら音が間違っていて(誤植)、仕方なくまた分厚い高い楽譜を買いなおしたことがありました。

これもCDを持っていてよく聞いていたから気づいたようなものの、知らない曲だったり、CDにもなっていない曲だったら、とても困ると思います。
新曲を練習する時は、なんらか楽譜を確かめる手段が必要になってくるのです。

特に上級用の楽譜はあんまし売れないので、落丁、乱丁、誤植等があっても、気づかずそのまま、ということがあるようです。

しかし、上級用だけではなく、初級用でものけぞるような大ミスがあるのを、ご存知ですか?

誰もが知っている楽譜の出版社、全○の「子供のバイエル」という大大ベストセラーの楽譜ですが・・・。

ちなみにここだけの話、全○の売り上げのほとんどがこの「子供のバイエル」で、他の楽譜は細々としか売れていない、と聞いたことがあります。

その「子供のバイエル」の、スケールの説明のところですが、ハ長調もト長調も、ニもイも、長調は全部、「調長」になっているのデス・・・・

実は私が子供の頃、この楽譜で勉強したのですが、ず~~っとそのまま、当時も「間違ってるな」と気づいていたけど、そのうち直るだろうと思ってました。

が、そのまま・・・・・。(何十年ですよ・・・)(^_^;)

私が講師資格を得て、子供を教え始めたときも、「あ~、まだ直ってない。」と思った記憶がありますし、最近入ってきた生徒さんが持ってきた「子供のバイエル」を見たときは、「も~、いいよ、いいよ、このままいってくれ~」と言いそうになりましたね。(^_^;)

音とは関係ないから、ま、いいか、でほったらかしなのか、気づいてないだけなのか・・・・

どっちなのかとても気になるな~ (^^♪

子供のバイエル 下―初級  ←  うぅ、懐かしい・・・・

     これは下巻です。 これが「調長」の嵐!

    もうそろそろ直ったかな~? でも今うちには子供の生徒が少ないし、この本は  
    あんまり使ってないのです。 で、確かめようがない・・・・・


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プロコフィエフ 古典交響曲と「予想外のBGM」 [音楽雑談]

先日、生徒さん数名と一緒にプロコフィエフの「古典交響曲」などを聞きに行った。

プロコフィエフといえば、私のなかでは「ちょっとへんちょこりんなメロディーを書く作曲家」というイメージが強く、「ピーターと狼」を除いてはややとっつきが悪かった。 

昨年の秋、神戸の某バレエ団の「シンデレラ」公演を見に行ったが、この時も同じく「やっぱりプロコフィエフって、きっと変人なんだ。」というイメージは変わらなかった。(音楽はプロコフィエフ)

しかし、今回「古典交響曲」を聞いて、あら、なんと聞きやすくて可愛い曲なんでしょう、これは入門編にはぴったりですわ~、に180度印象が変わってしまった。

なんと演奏時間が20分ほど、というミニサイズであるので、え、もう終わりかよ?という人もいるが、お子ちゃまや、オーケストラは初めて、という人にはいいのではなかろうか?

それにしても、最近CMでプロコフィエフがよく流れているような気がする。

この間も確か「ピーターと狼」が、何かのCMに使われていたような気が・・・・・

その口火を切ったのは、やはりソ○トバ○クのCMだろう。
「予想外です。」のバックに流れていたのは、これもまたバレエ「ロメオとジュリエット」の中の「モンタギュー家とキャピュレット家」でありました。

この曲はまた、「のだめカンタービレ」のドラマで、シュトレーゼマンが出てくる時にも流れてましたね。

怪しい人にはぴったりのBGMかも。(^_^;) ただしちょっと聞き厭き感も・・・・・

プロコフィエフ/交響曲第1番ニ長調 ← 小澤さんのは、画像リンクがなかったので、止むを得ず。 

   これわシャルル・デュトワの指揮です。

 

 

あ~んど、「ロミオとジュリエット」の「モンタギュー家とキャピュレット家」は、今やこんなところにもアップされています。パソコンからなら、無料で試聴できます。

モンタギュー家とキャピュレット家


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オーディション (平たく言えば、試験なんだけど~) [音楽雑談]

わ~、タミフルだなんだと言ってるうちに4月も10日以上たってしまった~~

すみません、コメントまでいただいて・・・・。

実は、私も寝込んでました、インフルエンザではなかったですけど熱が出て・・・・m(_ _)m

その間、生徒さんのオーディションなんかもあって、あ、オーディションというのは平たく言えばグレード(級)をもらう試験みたいなものなんですが、これがけっこう手がかかるものなんです。

大人の人なら事前に特訓をやって、当日は「じゃ、頑張ってね!」と送り出せばそれですむのだけれど、今回は小学生なのでそういうわけにもいかず、特訓の末に、その生徒さんのご家族とともに一個小隊ぞろぞろついて行く、というスタイルになりました。

あ、うち(R社)は公開オーディションなんです。基本的に。
ですから、試験会場には担当講師や付き添いの家族やその他見学者なんかが、いっぱい来ていて、その人達の前で弾かなきゃならないので、結構なプレッシャーなんですよ、これが。

受ける本人さんも緊張するけど、それ以上に先生方や家族は緊張するのです

今回は審査員が私の友人だったので、最初私は結構リラックスしてたのですが、ああいうところでは一人失敗すると、緊張がうつるというか、次々とミスがミスを呼ぶ悪循環が起きるものなんです。

1グループ5人くらいずつが1つの部屋で受験するのですが、ああ、今回も坂道転げる雪だるま、
普段は絶対にしないようなミスが出たり、緊張のあまり指が全く動かなくなる子がいたり・・・・

あ~、心臓に悪いわ

こっちがドキドキです。(ときめくのがこんな時だけというのも、情けないけど(^_^;)

でも特訓が効いたのか、なんとかミスもうまくリカバリーできて、ソルフェージュ課題もこなし、審査員の先生から講評をもらって、オーディションルームを出たとたん、5人のうち一人の子がわーっと泣き出したのです。

そしたら、その他の子供たちまで一斉に泣き出して・・・・
可愛い、といったら語弊があるかもしれないけど、彼ら、彼女らは生まれて初めて「どうにもならない悔しさ」とか、「自分への腹立たしさ」とか、「あんなに練習したのに、どうして?」という疑問を感じたのかもしれません。

親にも、学校の先生にも叱られたことのない今の子供たちにとって、これは結構いい体験かもしれない、と思うこともしばしばです。

「大丈夫だよ、ちょっと間違ってしまったけど、一生懸命に弾けたよ。」と涙ぽろぽろの生徒を慰めながら、「いい経験をしたな~」と祝福したい気持ちになる私でした。

結果が届く10日後まで、本人はやきもきするのでしょうが。

で、10日後、「合格」の通知をもらった生徒は、なんだかすごく自信をつけたみたいで、いきいきとしてレッスンにきました。
そして、今までうるさくいってもなかなか直らなかった悪いくせが、あっさり直ってたりするものなんです。

子供は正直やな~

進級試験はちょっとお金や時間や労力がかかるけど、

目標ができるのはとってもいいことだ

 

PS* ドラゴンクエストのところでコメントをくださったあずきさん、あなたのHPなり連絡先を教えてくださ い。

 

 


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うつの時に聞く音楽 [音楽雑談]

こんな私でも、うつ状態の時があって、その時は約2年ほどまともに音楽が聞けなかった・・・・。

朝、目が覚めるとその瞬間から気分が落ち込み、体が重くて動かせない。
やっと起きると、悲しくて涙が止まらなかった。

毎日そんな具合で、生きていることがつらかった。

今考えると、「あんた、それ“うつ”と違うの?」といわれても仕方ない状態なのだが、その時は全然気づかなかった。
朝、そういった状態でも夕方には、なんとか元気になっていたからである。
ものの本を読むと、“うつ”には、そういう症状もあるらしいが、その時は全然気づいてなかったのですわ。

それが良かったのかもしれないけど。

当時、思い悩んでいることがあって、それは私がどんなに頑張っても変えようがないことでした。

他人の心は変えられない、自分の心を変えなきゃ、と思っても、一方的に被害を受けていたのはこちらなので、努力すればするほど、どうにもならなくなっていきました。

そんな時、私が聞けた曲は3曲。

一つ目は、ヘンデルのオペラ「ソサルメ」のアリアです。

ヘンデルは「ハレルヤ」や「水上の音楽」などが知られていますが、実は優れたオペラをたくさん遺しており、彼の本望はオペラ創りであったらしいのです。

しかし、映画「カストラート」のなかで描かれていたように、オペラが当たらなくて多額の借金を抱えてしまい、仕方なくお金のかからないオラトリオなどを作曲するようになります。

しかも、カストラートを主人公とすることが多かった彼のオペラは、カストラートが非人道的である、という理由でいなくなっていったため、上演されることも少なくなっていきました。

ヘンデルの死後、50年くらいですっかり忘れられたようになってしまった、ということです。

「ソサルメ」のアリアですが、カストラートとソプラノが綾なすように歌うところが、当時の人々には官能的すぎるとまでいわれたものですが、非常に美しく、私にとっては天上の世界へぐんぐん昇っていくような高揚感があり、繰り返し何度も何度も、毎晩聞きました。

当時の私にとっては、唯一の慰めとなった曲でした。

歌詞は 「苦しみの門をくぐりぬけ、魂はようやく喜びに出会える」という短いもので、これを繰り返してカウンターテナーとソプラノが歌うだけなのですが。

3分くらいの短い短い曲ですが、自分の苦しみの果てには何か糧となるものがある、という希望を抱かせてくれていたのだ、と思います。

あ、今気づいたのですが、これってヘンデル版「じ~んせい、楽ありゃ苦もあるさ~」ってやつですか?

でも、美しさでは勝ってます、黄門さまより。(^_^;)

涙のアリア ← 「ソサルメ」、探したけどなかったので・・・。
   ヘンデルの「私を泣かせてください」を、ソプラニ
   スタの素晴らしい声で、ちょっとカストラート気分 
   をど~ぞ。

   


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青春のバッハ ~ブーニン「バッハ・ピアノ・リサイタル」~ [音楽雑談]

やっとこさ確定申告を済ませ、ほっとしているところです。

ところで、ある生徒さんがたまたまバッハのカンタータ「主よ、人の望みの喜びよ」を練習しているので、「じゃ、参考までにこれ聞いてみたら?」と出してきたのが、ブーニンの「バッハ・リサイタル」です。

この美しい曲は、マイラ・ヘスの編曲が有名ですが、ウィルヘルム・ケンプも編曲、自身の演奏も残しています。

が、譜面に書いてあるのに、そのとおり弾いてなくて、ちょっと笑ってしまいます。 やっぱり難しかったのかなあ?(^_^;)

で、ブーニンですが、聞きなおしてみるとこれが、なんかみずみずしくて、軽やかで、青春って感じがしていいんですわ。

ちょうどブーニンがソヴィエト(そうだ、そういう国がかつてあったのだ・・・。思えば遠くへ来たものだ。)から、亡命し、ドイツに移り住んで2年たったころの録音だそうです。

彼はそれまでもバッハの演奏をしていたのですが、バッハが生まれたドイツの地に住み、生活してみて 「バッハをずっと深く理解でき、興味は増すばかりで、以前にも増して気に入っている。そしてそれはとても新しいバッハなんだ。」と語っています。

生命の躍動、というか、重苦しいソヴィエト時代の抑圧された精神が一気に解放された、その喜びのようなきらきらしたものを感じさせる演奏があるかとおもえば、一転して深い深い祈り、敬虔な信仰者の瞑想を思わせる演奏もあり、引き込まれるように、全曲聴いてしまいました。

レッスンに来る生徒さんたちに聞いてもらうと、それぞれに思い、感じるところがあるようで、とてもいい勉強になったのではないかと考えています。

バッハ・ピアノ・リサイタル   ← 残念ながら、画像がありませんでした。

                     ジャケットの写真がとても良かったので残念

 

 


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Led Zeppelin を聞く、私的寒修行③~ロックにおけるモード奏法運動 [音楽雑談]

Led Zeppelin を改めて聞き出して、約3週間。
そろそろ、私の寒修行も終わりです。

大量のブートはさておき、だいたいのものは見、聞きしたかな~、という感じです。 ついでに、入手可能な本なども読めるだけ読んでみました。

正直、ちょっと疲れたけど、とても面白かったし勉強になりました。

特に楽曲の構成、アレンジの見事さは特筆に価しますね、あれは、やはり知識と経験というか、どれだけたくさんの曲を聞き込んだか、ということに尽きるのではないでしょうか。
そして、その聞き込んだ人が4人いたわけですから、アイディアはものすごく豊富だったに違いありません。
またそのアイディアをすぐにプレイできる力量を全員が持ち合わせていたことも、すごいことだったと思います。

私的には、Zepはクラシック的にはドビュッシー、ジャズ的にはマイルス・デイビスやコルトレーンらが果たしたモード音楽、つまり従来よりも和声の法則に捉われない、自由なホリゾンタルな音楽をロックにおいて実践した存在であると、考えています。

もちろん、彼らと同時代にジミ・ヘンドリクス、ヤードバーズ出身のクラプトン、ジェフ・ベックなど多くの人たちが、それを知ってか知らずか(たぶんあんまし気づいてなかったと思うけど)やっていたわけですが、Zepほど端的にその手の曲がヒットした、ということはなかったと思います。

イギリスにおけるブルースブームの頃から、調性を超える、ということは意識されてきたのでしょう。ジェフ・ベックが「ヤードバーズ」というDVDの中で、そんなことを言っていましたっけ。

ブルースにおいてあまり語られてない事なのですが、ブルーノートスケールは3度がフラットありと、なし、の2音が含まれているため、一つの音階の中に長調と短調の両方が混在しています。 これは従来の西洋音楽の観点からは、考えられないことです。

つまり、ブルーノートを使うと、長調も短調も含む音楽ができてしまう、という点で音楽学の研究の中には「ブルースは20世紀最大の発見」という主張もあるそうです。

普通、1つのスケールとして論じられることが多いのですが、長らく西洋音楽が捉われてきた調性というものをあっさり乗り越えてしまっている、という点はもう少し評価されてもいいかな、と感じています。

で、そのブルースをやるうちに、もっと自由にインプロビゼーションしたくなって、ワンコード、ワンモード、という方向にジミーたちは向かっていったのだと思われます。

ただ、クラシックではロマン派後期、ワグナーがトリスタンコード(意味の考えられない和声)に至った頃や、ジャズではビバップ時代にあった、頻繁で煩雑で理論的なコードチェンジにつぐコードチェンジ、といった時代がロックではちょっと見当たらない・・・。

私の勉強不足かもしれませんが・・・。
今度、「サージェントペパーズ」でも聞きなおしてみましょうかね。
あ、ひょっとしてサイケデリックの頃に、誰かやってた?
それともELPあたりがそう評価されるのかなぁ・・。

ま、クラシックで数百年、ジャズで50年くらいかけてやっと出現したモード・ムーブメントが、ロックでは十数年で早々と登場した、ってとこでしょうか。
末っ子は上の子のすることを良く見ていて、要領がいいですから、一気に無駄を省いたのかもしれません。(笑)

ただね~、この70年代初めのロックではスケールといってもやっぱり単調で、ペンタトニックばかりを使ったアドリブが多くて、ちょっと飽きが来るのですが、それがまたいいのかもしれない。(日和ってる?私)

その頃には、ジャズの方からはすでにロックへのアプローチが始まりだして、その影響ももちろんあったでしょうが、ロックではワンコードで力で押してくるスタイルがうけた、というか、それしかできなかったというか、個別化を図ったようですね。(^_^;)

多彩で、ものすごく面白いオリジナリティにあふれたフレーズをたたき出してくるロックの出現は、やはりジェフ・ベックの「ブロウ・バイ・ブロウ」を待たなくてはならないのかな~

そうだ、確定申告が終わったら今度は、ジェフさんを聞いてみよう。

がんばって決算書早く書かないと・・・・・(^_^;)

 

 


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Led Zeppelinを聞く、私的寒修行②~ブート天国~ [音楽雑談]

Led zeppelin を聞き続けているわけですが、オフィシャルなものはだいたい見聞きしつくしたので、ブートレグ(海賊版)に突入しました。

しっかし、ZEPの場合恐ろしい数のブートが出ていて、しかも日本はブート天国、といわれるほどのことはあって、全部を聞きつくすことは不可能かと思われます。

なにしろジミー・ペイジ本人が、来日のたびにブート天国の総本山、西新宿へ詣でては、そこいらのブート店から自分達のブートを根こそぎゲットして帰り、(決して購入ではありません。本人なので強奪。(^_^;) それをソースとしてあのDVDを制作した、というくらい豊富にあるのですが。

特に初期の頃の、ブルース・バンドの色濃いものを聞くと、このバンドが明らかにライブ・バンドであり、その多彩なインプロビゼーションの展開の面白さに、舌を巻いてしまいます。
同じ曲であっても2度と同じアドリブはなく、リズム、音色、構成、ダイナミクス、ドライブ感、グルーブなどが1回ごとに変化し、これははまるな~、(^_^;)と言う感じです。
決してとりとめなくアドリブパートが続いていく、という当時のバンドにありがちなパターンではなく、誰かが暴走してしまっても最後にはきっちり落とし前をつけられる、というか締められる力を持っている稀有な存在だったことが、よくわかります。

ついつい、次のを聞きたい、とブートのアリ地獄にはまっていくファンも数しれず、ブート分析や紹介のサイトもいっぱいあります。
(その中でも、とくに詳細なのは日本人制作のサイトが多い。国民性だろうか?ジェフ・ベックのファンサイトもそうだけど。

当時、クリームやジェフ・ベック・グループ、ジミ・ヘンなど、先発バンド数あれど、Zepがあれほどに成功したのも当然、それほどに熱も実力もあったのですね。

まず、特筆すべきはペイジのソングライティングの才能と、ヤードバーズ時代に貯め込んだアイディア、それらがジョンジーという全天候型のアレンジャー兼ベーシスト兼キーボーディストと出会ったことで、ものすごく構成のしっかりした楽曲、アドリブパートとして、顕現していったのではないでしょうか?

ジミー自身が「クラシックの現代音楽のようなものをロックでやりたかった。」と語っており、そのパートナーとしてジャズ理論やクラシックにも精通し、「オーネット・コールマン大好き!」なジョンジーは、うってつけ、というよりも、願ってもない存在だったに違いないのです。

事実、ジミーは当時アレンジャー、セッション・ミュージシャンとしては自分よりはるかに格上だったジョンジーが、「君のバンドにベーシストはいらないかい?」と電話をかけてきたことを「仕事には困ってなかったはずだけど・・」と発言しています。

なぜかというと売れっ子ジョンジーは、月30本のアレンジと20本以上のセッションに疲れ果てていたから、なんだそうです。

そしてジョンジーに加え、ジミーの隠し玉というか、隠し核弾頭とでも言うべきロバートと、ボンゾの2人が手に入った、というのも彼の運の強さというか、成功の女神が微笑んだ、というか、天才は天才を呼ぶんですね。

当時、パーシー(ロバート)とボンゾがまだほんの20歳くらい、というから驚いてしまうのですが、2人は、もうほとんど完成形というくらいのスタイルをすでに確立しており、しかも音楽に対して非常に柔軟性があり、さまざまなジャンルの音楽にも対応できる強みを持っていました。

これも、彼らの成功の秘密だったのでしょう。

で、ごちゃごちゃ言ってないで、私の好きな初期のブートをご紹介。

専門店で買うとすごく高いので、なかなか大変なのですが、最近は海外サイトで紹介しているところがあります。そこをぷちっとご紹介

 ここ は超有名なサイトで、レコーディングのアウトトラックなども聞けます。

スティービー・ウィンウッドがキーボードで参加したけど、お蔵入りになったバージョンや、ジョンジーがジミーにリフを教えているところなども聞けて、楽しめます。 1曲完成させるのに、どれだけの試行錯誤があったかが、うかがえます。

コピーガードがかかっていますが
(①拡張子ramをrmに変えるとDLできるそうです。 ②私はASF(get ASFsteam)を使ってDL。あんど、REAL PLAYERでCDを焼きました。)

 それから2つ目は、最近話題になっている Concert Vault です。
ここは、私のイチオシ、お勧めサイトで、音がすっごくいい!!(^^♪

聞く前に無料の会員登録がありますが、(メールアドレス等入力)怪しいメールもまだ来てないので、大丈夫みたいです。
心配な方はフリーメールでど~ぞ。

ここは、いろんなジャンルのおいしそうなライブ音源が山ほどあって、当分楽しめそうです。
ここは試してみたのですが、うまくダウンロードできませんでした。

誰か、Flash から音楽を取り出す方法、教えてくださ~い、よろしくお願いしま~す m(_ _)m

この2つのサイトで、ぜひ、Zepの初期、69年くらいのものを聞いて、ねっちょり感を堪能してください。
特に You shook me は、壁にぐいぐい押し付けられて、ぐっちょぐっちょに潰されていくトマトの気分が味わえます。

 

 


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Led Zeppelin を聞く、私的「寒修行」 [音楽雑談]

自転車でだらだら坂を上がっていたら、突然、頭の中で「レヴィー・ブレイク」のドラムスが鳴り始めた・・・。

そう、あのボンゾことジョン・ボーナムの重い重いドラムスだ、あのジェフ・ベックをして「俺の理想はボンゾの重いドラムスだった」と言わしめた、あの特長的なドラムスの音だ。

そうだ、LED ZEPPELIN を聞こう!
ほとんど反射的に私の心は決まった。 10日ほど前のことである。

以前にもこういったインスピレーションはあって、何の前触れもきっかけもなく、突然何かを聞きたくなる、そしてその曲やミュージシャンを聞くと、なぜだか必ずといっていいほど、ものすごい勉強になったり、その時思い悩んでいたことの答えが見つかったりするので、今回も素直に心の声に従うことにしたのですが・・・。

これが結構大変で、ほとんど修行状態になってしまいました。(^_^;)

寒い時期なので、これを寒修行と題してみました。

私も凝り性なので、いったんそう決めたら、当然 Zepの1枚目から、順を追って10枚目の「Coda」まで、年代順に聞かないと気がすまないし、そうなると、家にあるだけのCD,DVD,LPは全部聞くことになりました。

しかも、やり始めるとはまってしまって、それだけではもの足りなくなり、オフィシャル版以外のブートや、海外サイトにアップされているアウトテイクや、サウンドチェック版も網羅し、あげくの果ては「やっぱりルーツを知らなきゃね。」とばかりに、当然のことながらヤードバーズ時代のジミーも聞くはめになりました。
ついでに、14歳のええとこのボンボン丸出しの可愛いジミーがスキッフルバンドで、ギターを弾きながら歌っている、TVショウ出演時のフィルムまで見ましたが、何回見ても可愛いです。

恐ろしいのは、スタジオ・ミュージシャン時代のジミーは、腕利きで売れっ子だったため、何百という数のレコーディングに参加していることです。
これは、ジョンジーことジョン・ポール・ジョーンズも同じで、彼も本名で参加しているセッションなどもたくさんあり、これらを全曲となると、途方もない時間と手間を要するので、今回はあきらめることとしました。

例外として、ロード・サッチのヘヴィー・フレンズに参加(ジミーとボンゾ)したのと、ソニー・ボーイ・ウィリアムスのバックにジミーがブライアン・オーガーと参加しているものは、聞くことにしました。

で、毎日2時間くらい聞いているのですが、た、大変ですわ。

私は特にこのバンドの初期の「ねっちょり感」が好きなのですが、現時点で改めて気づいたことは、当たり前ながら、ここのリズム隊の強力さと、彼らの音楽がこの4人の間で起こった化学変化の末に生み出された、彼らにしか成し得なかった奇跡の音楽であった、ということです。

特に、ジョンジーは音楽性の高さといい、センスの良さといい、出してくる音が必要不可欠な音で、しかものりがいい。
派手なブンブンベースもやればできるんでしょうが、そうではなく、しっかりとZep の土台というか屋台骨を支えている、という感じで、改めて勉強になりましたね~。
それは、キーボードのときのフレーズも同じです。 当時はやりの、キース・エマーソンやジョン・ロード、リック・ウェイクマンらとは違い、弾けば早弾きもできるんでしょうけど、あえて自分の知ってる音で勝負してくる、みたいなところがあってまたまた好感度アップです。
また、ライブでローズやB3を弾く時、彼はフットベースを使っているのですが、このベースラインがこれまた参考になりました。

なんか、自己犠牲のようでそうではなく、しっかり自己表現をやっているみたいなところが、いいんだな~(^^♪
女の趣味はケバいらしいけど、(間違って一夜を過ごしたオカマさんや、日本に来たときお相手をしたグルーピーのP子さんは、相当ケバかったらしい。長年連れ添っている奥様も顔が濃い)、普段は物静かで控えめで、知的なんだそうだ。
当時アメリカのグルーピーだったMorganaさんも、「とても優しい人だった」なんてHPに書いていたっけ。(何の話や・・・

年を追うにつれジャンキー度が増し、へろへろでよれよれで弾けなくなり、ファンクラブの会長にまで「我々をなめているのか、ジミー・ペイジは!」と言われてしまったジミーに比べ、この人はミュージシャン人生を全うしているな、という尊敬の念さえ湧いてくるJPJなのでありました。
あ、好きですよ、私はジミーも (^_^;)

私の寒修行はまだまだ続きそうで、今日はブートの「One more for the road」(1970,9,19,マジソン・スクウェア・ガーデン)を聞くつもりです。

Led Zeppelin II ← セカンドアルバムです。この中の「レモン・ソング」(ハウリン・ウルフのキリングフロアのリメイク)のベースはすごい!
JPJ本人も、イチ押しの素晴らしさ。
他に「強き二人の愛」のベースも素晴らしいできです。

あ、もちろんアルバム全体も良くできています。ジミー   
               も現役だし。(^^♪

 


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ドラゴンクエストの音楽について② [音楽雑談]

いやいや、お久で~す

な~んと今月ドタバタして、3回しか更新してませ~ん。
す・み・ま・せ・ん・・・・

これで来月、確定申告が始まったら、ど~なるんでしょ。
われながらマイペースで、わははですわ。(^_^;)

え~っと、で、ドラクエ音楽の魅力を語るわけですが。

前回、のすけの母様のコメントにもありましたが、黒田大先生の予言は大当たりとなり、ドラゴンクエストの音楽はゲームから独立したかのように、さまざまなシーンで使われるようになりました。

そして、各地でオーケストラによるコンサートが行われるようになり、私も勇んで出かけたものでした。

私は大阪のシンフォニーホールへ行ったのですが、普通のクラシックコンサートなら、誘っても絶対ついてこない息子が、その日を指折り数え、ホイホイついてくるのです。

そーです。コンサートデビューが、いとも簡単に果たせちゃったわけです。

それまでにも、いろんなところに連れて行って、いろんな経験をさせてやろうと思って、文楽劇場やら能楽堂やら連れて行ったのですが、つまらなかったようで、ふてくされたり、にらみつけられたり・・・(ーー;)

でも、こればかりは違った。
エントランスには、コスプレのお姉さんたちがウロウロしていて、「あ~、クリフトがいる、あ、女勇者も、格闘家も」と、喜ぶ、喜ぶ。

さすがに女戦士やブライはいませんでしたが・・・・・
(あれはどこで着替えてるんでしょう? まさか家からあの格好じゃないでしょ

いやがおうにも、気分は高揚します。
そこですかさず、あのドラゴンクエスト・マーチを聞き、お城や、町やレクイエムなどを、繊細かつ勇壮な音で演奏されると、思い出すんですね~、あの苦しかった戦いを・・・・

モンスターにやられまくって、お金がなくなり、自分の着ている鎧を売って仲間を生き返らせたっけ。
それにメガザル(自分の命と引き換えに仲間を生き返らせる尊い自己犠牲の呪文)を唱えるときも、勇気がいったな~、後で生き返らせてもらえるってわかってても、あれはなかなかできなかった・・。
そうそう、戦っても戦っても終わらないエスタークとの戦い、神様もそうだったっけ。 われながら、よくやったわ・・・・。

一番強いラスボスって、なんだろう、もしかしてゾーマかも、だってあの戦闘の音楽きくと、まざまざと最後の戦闘シーンを思い出して、心臓バクバクしたこと思い出すんだから・・・

なんてなことを、観客みんなが思い出してるに違いなく、うんうんと頷いたり、感慨深げに目を閉じて聞き入っているのです。

このコンサートがなかったら、たぶん、おそらくこのホールやオーケストラとは無縁であっただろうと思えるようなお兄ちゃんが、隣で「あ~、俺感動した! あの曲、良かったわ、トリハダ立ったわ・・・」としみじみ友達に語っているのを聞くと、こちらまでうれしくなっちまうのです。
もしかしたら、彼はこれをきっかけにもっといろんなジャンルの曲を聴くようになるかもしれません。
そんな、彼、彼女がたぶんいっぱいいるはずなのです。

これも、ドラクエの大きな功績であるといえるでしょう。

水木一郎も、影山ヒロノブも決して悪くはありません、むしろ、私はある意味、尊敬していますが、これほどの影響力はなかったのではないでしょうか。

そして、とどめの一発は、休憩のときにホワイエでいただくお茶とケーキ
これで息子の心は、わしづかみでした。

大人ならなんでしょうが、ふふ、たわいないものです。

そして、休憩の後また自分の冒険と音楽に酔い、ある時はすぎやま先生への質問コーナーまでありました。

「小学5年の○○君の質問です。 Ⅴ(ファイブ)の《エーゲ海に船出して》ですが、エーゲ海にふなでして、ですか? それとも、船だしてですか?」 なんぞという可愛い質問に先生自ら答えてくださって、ほほえましかったです。

黒田先生がおっしゃるように、こんなに繰り返し何度も何度も、いや、1つのゲームをクリアするのに毎日2時間プレイして、100日かかるとすると200時間。
それ掛けることの、今までに約3000万本売れたそうなので、のべ、え~っと

ろ、6000000000時間!!

わかりやすくいうと、約60億時間です。

60億時間(何日とかは、計算してくれ~)ずっと、ドラゴンクエストの音楽が聞かれ続けた、ということなのです。

これってすごいことです。
バッハも、モーツァルトもベートーベンも、生きているうちに、こんなに聞かれなかったし、複製芸術の技術が発達した現代でも、こんな記録はなかなかないのでは?
ベンヤミンもびっくりだ~い!

これほど愛され、聞かれる音楽もそうはないと思います。 
おそらく、バッハやモーツァルトもこれを知ったら、うらやましがるに違いないでしょう。
しかもこれからも、この記録は更新され続けることになります。

だって、Ⅸがもうすぐ出るんだも~ん、もう、待ちくたびれて、首がのびてシワシワ・・・(年のせいか?)

おおっと、「トルネコの冒険」は入れてなかったので、それも入れると、また記録が伸びますね

まだ聞いたことのない、あ・な・た・

ここで試聴できます。 パソコンからの試聴は無料だそうです。

力作ぞろいで驚きます。


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