青春のバッハ ~ブーニン「バッハ・ピアノ・リサイタル」~ [音楽雑談]
やっとこさ確定申告を済ませ、ほっとしているところです。
ところで、ある生徒さんがたまたまバッハのカンタータ「主よ、人の望みの喜びよ」を練習しているので、「じゃ、参考までにこれ聞いてみたら?」と出してきたのが、ブーニンの「バッハ・リサイタル」です。
この美しい曲は、マイラ・ヘスの編曲が有名ですが、ウィルヘルム・ケンプも編曲、自身の演奏も残しています。
が、譜面に書いてあるのに、そのとおり弾いてなくて、ちょっと笑ってしまいます。 やっぱり難しかったのかなあ?(^_^;)
で、ブーニンですが、聞きなおしてみるとこれが、なんかみずみずしくて、軽やかで、青春って感じがしていいんですわ。
ちょうどブーニンがソヴィエト(そうだ、そういう国がかつてあったのだ・・・。思えば遠くへ来たものだ。)から、亡命し、ドイツに移り住んで2年たったころの録音だそうです。
彼はそれまでもバッハの演奏をしていたのですが、バッハが生まれたドイツの地に住み、生活してみて 「バッハをずっと深く理解でき、興味は増すばかりで、以前にも増して気に入っている。そしてそれはとても新しいバッハなんだ。」と語っています。
生命の躍動、というか、重苦しいソヴィエト時代の抑圧された精神が一気に解放された、その喜びのようなきらきらしたものを感じさせる演奏があるかとおもえば、一転して深い深い祈り、敬虔な信仰者の瞑想を思わせる演奏もあり、引き込まれるように、全曲聴いてしまいました。
レッスンに来る生徒さんたちに聞いてもらうと、それぞれに思い、感じるところがあるようで、とてもいい勉強になったのではないかと考えています。
バッハ・ピアノ・リサイタル ← 残念ながら、画像がありませんでした。
ジャケットの写真がとても良かったので残念
先日は、ブーニンを聴かせていただいて、
ありがとうございます。
音色もさる事ながら、
ブーニンもケンプも、
自身のフィルターを通して、
曲を演奏している事がよく、
解りました。
そして、何より曲の素晴らしさ…
ピアノの前で楽譜を見せて貰いながら
聴いた時、実は僕…涙が自然に
出てきました。
キリスト教徒でも、ヨーロッパの人でも
ないのに。
貴重な経験でした。
by Kiichi (2007-03-12 15:37)