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私的ジャズ入門その① サラ・ヴォーン ウィズ クリフォード・ブラウン [Jazz]

私の生まれた家は、父も叔父たちもみんなが洋楽大好きという家だったので、ものごころつく以前から、強制的にいろんな音楽を聞かされて育ちました。

もしかしたら、定かではありませんが祖父もそうだったんじゃないか、と思えるほど昔のSPレコードもたくさんありました。

あ、SPというのは、蓄音機にかけてたような、78回転のふる~いレコードです。 プラスチックが発明される前の、あれは何と言うんでしょう?、エボナイトですか?セルロイドっていうんでしょうか、とにかくもろくてすぐに割れてしまう、はかない存在のレコードです。

で、父はクラシックとタンゴ、叔父たちはそれぞれラテン、ジャズ、ロックを愛好し、それこそ1日中いろんな曲が流れていたみたいで、ペットの犬までがお気に入りの曲がかかると、「わお~ん、うおお~ん」と歌いだすという、なんか気が狂いそうな環境で、半ば洗脳状態で育ちました。

なので、最初に聞いたジャズ、というのは、きっと他にあったのでしょうが、覚えていないので、自力で最初に買ったアルバムを紹介します。

Sarah Vaughan W/ Clifford Brown  ← サラ・ヴォーン with クリフォード・ブラウン

  これは、間違いなくジャズ・ボーカルの歴史的名盤!

  バックがすごい! クリフォード・ブラウンにハービー・

  マン、etc. アレンジも素晴らしい。

実はこれを買ったきっかけを与えてくれたのは、ブルース喫茶なる店をやっていたM氏です。

その頃、私は数学の時間に立たされてばかりの生活に嫌気がさし、勇敢にも学校の門を乗り越えては脱走し、今はそういうお店あるのかしら?、当時はまだクラシックばかり聞かせてくれる喫茶店とか、ジャズ喫茶とか、ロック喫茶とかあって、コーヒー一杯で好きな曲、聞きたい曲をリクエストできるのですが、そういう店に逃げ込んでは、ひたすら音楽を聴く生活をしていました。(^_^;)

数学の授業が2時間続きだったので、結構余裕があり、いろんなジャンルの音楽が聴けました。 バッハのブランデンブルグを1番から6番まで聞いたのも、名曲喫茶で、この蛮行(?)を私のピアノの先生は、「そりゃ、ええこっちゃ。あんた、わけのわからん数学勉強しても、しゃあない。その方が、よっぽどよろし。」と、ほめてくれました。(ーー;)・・・・

この先生も、ものすごくユニークな方だったことは、言うまでもありませんが・・・

そういったお店の中に、ブルースばかり流しているM氏の店があって、彼は常々「エルモア・ジェイムスこそが、最高や!」と豪語していたのですが、私にはどれが最高傑作で、どれが最低なのかさっぱりわからず、(だってどれも3連符のボトルネックで同じに聞こえるので)違いがわかりたいと思って、行っていました。

はっ、今気づいたのですが、ひょっとしてこれは客を呼ぶためのM氏の作戦だったのでは・・・?

で、ある日M氏の店のドアを開けると、いつものようなエルモアの「じゃらら、ららら、ららら、ららら」という3連符ギターではなく「しゃば、どぅば、でぃっでぃ、どぅ、どぅばぁ~」という女の声が聞こえてきたので、私は立ちすくみましたね。

その声、歌のうまさ、さらにスキャットと各楽器の4バースごとの掛け合いのよさ、どれをとっても「これはすごい!」と、思わずうなってしまいました。

私はそれまであまり女性ジャズボーカルというものを聴いたことがなかったので、ちょっとした衝撃でした。

はっ、しかしここは、ブルース命、最高の店ではありませんか、こんなものかけて良いのでしょうか

われに返った私は、カウンターのむこうでお皿を拭いているM氏に、「これ何?!こんなんかけていいの!」とちょっときつめに言ってやりました。

(かねがねM氏は「ブルース以外の音楽を聞くヤツはアホじゃ。」と沖縄なまりの大阪弁で私をいじめていたので・・・)

すると逆ギレしたM氏は、「一日中こんなとこでブルースばっかし聞いてたら、気が狂いそうになるんじゃ!たまには、こんなん聞かんとあかん!お前に何がわかるんじゃ!」と言い返してきました。(客にですよ、(^_^;)

「わかりませ~ん」と言って、店を出たその足で買いに行ったのが、この「サラ・ヴォーン ウィズ クリフォード・ブラウン」です。

そ~です。言い争いをしながらも、賢明にも私はカウンターの上に投げ出されたジャケットをしっかと読み取って、忘れないうちにレコード屋さんへ走ったのです。 わはは

それからというもの、まあ、はまったというか、なんというか、毎日のようにそれこそすりきれるほど聞きまくりましたね。

たぶん、今でも全曲歌えるんじゃないでしょうか。
バラードが多いんですが、どの曲をとっても秀逸なできです。

ジャケット裏の写真を見ると、マイクが1本あるだけの録音風景で、きっとメンバーは自分のパートになると、かわるがわるこのマイクの前に進み出て、4小節のアドリブを演奏していたんでしょうね。

今のように、何十というトラック数があるわけじゃなく、オーバーダブができるわけじゃなく、それこそ一発勝負の緊張感あふれる録音をしていたんじゃないでしょうか?

ですから、その頃は失敗しないように、録音の時だけはアレンジをしっかりして練習し、本番に臨んだ、と聞いています。
(即興性こそジャズの生命であり、その独自性でもあるのですが、経済的原理には勝てません・・・。)

確かに「バードランドの子守唄」などは、アレンジしたな、とわかるのですが、なんともいえないリラックス感があって、とても自然な感じで演奏していて、サラの声もつやつやで、心地よく聞けます。

余談になりますが、こういったしっかりアレンジされたボーカルものは、レコードコピーの練習にぴったりだと思います。
というのは、人の声の音域は楽器ほど広くないので、聞き取りやすいからです。

私も初めてコピーの練習をするとき、この「バードランドの子守唄」を選んで書き取りのトレーニングをしました。
大好きな曲だったので、とても楽しくできたことを覚えています。

今でも「バードランドの子守唄」というと、やはりこれしかない、これ以外の「バードランド」もいいのはわかるけど、やっぱりサラとクリフォードの「バードランド」、これに限るな、と思っています 

今からおよそ半世紀も前の録音で、古いことは古いのですが、もう歴史の荒波を十分にくぐって残った、という貫禄も感じさせてくれます。

絶対聞いて損はさせません 私のお勧めです 

 

 

 


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